タイトルを見てドキリとしたのですが、ウィリアムはお人形が欲しい男の子でした。
お人形を欲しがるって男らしくないと、まわりの人間は馬鹿にします。
原作は1972年の作品なので、ゾロトウさんは性同一性障害ということを意識はしていなかったのでしょう。
身近にお人形が欲しい男の子がいて、ゾロトウさんらしい優しさで、この子を分析したのでしょう。
おばあさんの助け舟は素敵なものでした。
ウィリアムは本当は、赤ちゃんが欲しいのよ。
そう言ってウィリアムにお人形を買い与えました。
ウィリアムの感性を、否定したり封印してはいけないと思うのですが、現代にゾロトウさんが生きていたら、ウィリアムにどのような声をかけるでしょう。
ウィリアムは人を愛する、繊細で優しい子であることは間違いないのですが、赤ちゃんが欲しいなどと思ってはいなかったのではないでしょう。
考えさせられる絵本です。