角野栄子の小さなおばけシリーズ、5作目。いよいよ女の子キャラが登場しました。
飴屋の階段に住んでいる女子おばけは、自称☆歌が上手い♪&かわいい。自己評価が高い、天然おばけ。しかし、現実は飴屋のばあさん曰く「へたくそ」、他のおばけ&通行人:耳に指を突っ込む、という散々な歌声。おばけとしては最高だけど、本人はアイドルのつもりなので困った状況です。
ある日、「こども歌のコンクール」が開催される事となり、ソッチ嬢も自信満々で参加することにしましたが、周囲のおばけ仲間に「練習した方がいい」とほとんど無理やり小学校の音楽室に送り込まれ…
現実の自分の姿と、夢や希望という名の妄想(思い込みともいう)との間で揺れ動く、乙女心。傷つきやすいので、周囲の人がいろいろ気を使って、大変…こういう人って、学校や職場など、自分の身の周りに居たと思います。
正直、めんどうくさかったなぁ…(遠い目)。周りの人たちの気持ちも、本人の気持ちもよくわかって、人間関係を上手にやっていくって大変だなぁ、と、非常に勉強になる一冊です。
最終的にはハッピーエンドなので、どうやってこの難しい状況をのりこえていくのか、楽しみにして読んでみてください。
それにしても、おばけとしての技術は最高(歌で、もれなく人間もおばけも怖がらせる)なのに…もったいない。人生はうまくいかないものなのね…