今森光彦さんと言えば、プロ写真家として知られ、「昆虫記」等で知られています。
その作で、絵を弟の今森洋輔さんが担当した作品。
兄弟揃ってというのは、非常な驚きでした。
物語は、
「あれっ?
まあるいよ
なんだろう?」
という書き出しで始まります。
そこに描かれているのは、丸まったもの。
隣に芽があるので、サイズも見当がつきます。
次のページで、
「とこ とこ とこ
ダンゴムシ」
と答えがあるという、良くある構成の作品ではあります。
この絵本が良いのは、登場する虫がオーソドックスであるという点。
ダンゴムシ、アゲハチョウ、カマキリ、テントウムシ、カブトムシ、クワガタというメンバーですから、虫入門の絵本としては最適です。
さらに、洋輔さんの絵が、精緻でありながら生物っぽくないので、虫嫌いの方でも抵抗なく読み聞かせできるものです。
生々しさが抑えられている描写は、中々のものだと思います。
また、テントウムシのページには、捕食するアブラムシを描いたり、アゲハチョウのページでは、代表的な訪花植物のアザミを描いたりと、生態を周知した方ならではの作品と言えるでしょう。
昆虫の入門用の絵本として、オススメします。