我が家の一押し、「癒し系絵本作家」のとよたかずひこさん。バルボンさんシリーズを皮切りに、ほのぼのとして深い世界にどっぷりとはまりました。娘も字が読めないころから大好きで、添い寝の友として何度読んでやったことでしょう。字が読めるようになった今は、一人で、バルボンさんシリーズを繰り返し読んでいます。
私にとって、バルボンさんシリーズの一番の魅力は、(話の筋や展開の面白さももちろんですが)その温かい世界観、他者に対する優しいまなざしです。バルボンさんは「ワニとして」動物園にお勤めし、地域社会の一員として暮らしています。バスに乗り込むのに時間がかかるバルボンさん(何せワニですから足が短いのです)に、運転士さんは「ゆっくりどうぞ」と声をかけてくれます。バルボンさんは、バスの中でこっくりこっくりしてしまっても大丈夫なのです。皆が行き先を知っていて、声をかけてくれます。分けへだてない、思いやりにあふれた優しい世界。読む度に、とてもやさしくて穏やかな気持ちになれます。
ところで、とよたさんは宮城県出身です。数年前原画展があった時に、「バルボンさん」「でんしゃにのって」などの原画が展示されていたのですが、コメントに「バルボンさんは八木山動物園に勤めています‥‥」(仙台市に実在の動物園。)とあるのに、ビックリ。い、言われてみれば、確かに入り口(門)のあたりとか、八木山動物園によく似てる‥‥。そーか、そうだったのか! 地域受けで申し訳ありませんが、バルボンさんの世界をより身近に感じてしまったのでした。
因みに、仙台市の公共図書館の紙芝居袋やしおりなどには、バルボンさんがプリントされています。見るとついほのぼのしてしまいます。