いどにおちたぞうさんには、申し訳ないのですが、ぞうさんを救出しようとしている場面のぞうさんのひっぱられ方や、ぞうさんの表情に、思わずふきだしそうになるくらいの愛嬌がありまして、楽しく読ませてもらいました。
なんだか、「おおきなかぶ」を思い出すような作品です。次々に動物がやってきて、ぞうさんをひっぱろうとします。動物が増えるごとに、今度こそ救出できるかなあって期待が増します。でも、動物たちの登場順がこれまた笑えるんです。みんな、ぞうさんを助けてあげようと必死なのにね。ごめんなさい。
おもしろさをところどころにつめこんでいるところが、エッツの才能なのでしょう。色のない版画絵であるのに、遠目からでも、その迫力が伝わるような作品となっているのにも、エッツの偉大さを感じました。