我が家の次女はなぜか民話と昔話が大好きです。多分、伝承物語にある、生きることの大切さとか優しさとかそんな本質が気に入っているのではないのかと親は思っているのですが。
この三コ(さんこ)はその次女の最も大好きな民話です。
秋田の田舎に昔、三男坊がいたのですが、誰にも名前を覚えてもらえず「三コ」とだけ呼ばれ、大男となって何十年というながい月日を夜は山脈を寝床にして暮らしています。三コたちが住んでいる地域は貧しくて、長男以外は食うにも困る状態です。三コはそんなオイチャ(この地域で次男坊三男坊をさす)たちに、仕事を作るため山に植林することを思いつきます。はげ山だったおいだら山に日本中から木を集めてきてオイチャたちのために働くのですが、ある日おいだら山が火事にあって、山が、森が燃えるのです。三コはオイチャたちのために火に覆いかぶさって火事を止めます。
オイチャたちは泣いた
という一文が次女はとても気になるようで必ずここで、三コは死んだのか?と尋ねます。
今その子は5歳になりましたが、未だに大好きで、今でもこの本を読んではいろいろ考えるところがあるようです。