おばあちゃんの部屋に飾ってあった女の子の絵から、おばあちゃんの子どもの頃のお話が始まります。
「海のアトリエ」、言葉の響きが大人っぽくて素敵ですね。
絵を描くのに没頭したり、海辺を散歩したり体操したり・・絵描きさんの暮らしぶりは丁寧で、心が解き放たれるような解放感。
レコードプレーヤーはあるけれどテレビは無いのか、都会の喧騒から離れてとても静かでゆっくりした、それでいて充実感のある落ち着いた日々の暮らしがありました。
「心の中は自由だから、それをそのまま描いちゃえばいい」、
貝殻でいっぱいの砂浜を、実際に絵具を足に付けて歩いてみる。なんて素敵な発想でしょう!
誰にだって忘れられない大切な思い出、大事な人に出会う日が必ずくる、と話してくれたおばあさんの言葉が心に残りました。
素敵なお話、そして色鮮やかに丁寧に描かれた挿絵が、まるで海の潮風を運んできてくれる、そんな絵画のような絵本です。