海のアトリエ」 mintteaさんの声

海のアトリエ 作:堀川 理万子
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2021年05月17日
ISBN:9784034351604
評価スコア 4.7
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  • 大人が心惹かれる、、、

    文章には書かれていないストーリーを、美しい水彩画が豊かに物語っていて、絵と言葉のハーモニーがひとつの曲を奏でているかのようです。 

    居心地のいいおばあちゃんの部屋からお話が始まり、舞台は「とくべつな思い出」の中の ”海のアトリエ ”へと移ります。その間のページに、家の縁側に座って、薄暗くよどんだ時間の中に閉じ込められている様な少女がいます。シャボン玉のふちの黄色い光が、ほのかに希望を感じさせます。 

    友達の娘で、問題のある状況の子を預かった絵描きさんは、学校のことを聞いたり女の子を慰めたりせずに、自分の日々のルーティンの中に組み込んでいって、体験を共にしていきます。

    スイカの香りのする水で乾杯をして、「ようこそ、海のアトリエへ!」と迎えられた女の子の表情の、柔らかく嬉しそうなこと!
    夜は一緒に本の時間。白熱灯の黄色い灯りが、部屋を温かく包んでいます。 
    朝ごはんの後は、水着を着て海へ散歩です。
    さわやかな空の青、深く静かな海の青、どこまでも続く水平線、、、。 

    青、緑、黄色、白、それにところどころカラフルな色彩がとてもきれいな絵本です。
    人の心を開放する力を持つ海の青―登場人物も青系の服をよく着ています。
    緑は、物語の中の自然や植物の葉っぱなどの他に、本の表と裏の見返しの部分が一面鮮やかな緑色で、素敵なアクセントになっています。最後の夜に乾杯した「おとなのあじ」のする水の、ライムとミントの色でしょうか。
    黄色と白は、光を感じさせてくれます。

    海のアトリエで、絵描きさんと女の子の日々は、素敵と不思議に満ちていました。絵描きさんの生活はとても魅力的に見えますが、創作するということはいつも楽しいわけではなく、行き詰ったり葛藤したりすることもあるでしょう。
    創作のため、アウトプットのためには、豊かなインプットが必要だし、ゆとりや遊び心も大切な要素です。絵描きさんが真摯に自分の仕事と向き合うアトリエで、子ども扱いされずに、共に過ごした体験は、女の子の心の糧となり、女の子の物の見方そのものを変えました。

    「だれでもない、ここにしかいない、あたし」と感じることができた女の子からは、ありのままに自分らしくいればいいという、自分に対する確かさが伝わってきます。

    時が現在に戻り、「あなたはこれから、あなたのだいじな人にであうのよ。」と孫娘に話すおばあちゃんの心の中には、今も絵描きさんが生きているのでしょう。
    時の描き方も、心に残る絵本です。

    投稿日:2023/05/12

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