がんに侵された祖父と、それを見守る孫娘の物語です。
ベッドにつながれて、したいこともできないような最後ではなく、
自分の思うように生きて満足して死にたいと願うおじいちゃん。
まだ小学生の孫娘は、手術もきつい薬も拒否するおじいちゃんが理解できません。
でも、少しずつ体調を崩していくおじいちゃんに寄り添いながら、
人としてどうあるべきかを学んでいきます。
この本の作者の大谷美和子さんは、
夫を1年前に亡くし、編集者から
「死は終わりではないということをテーマに書いてみませんか?」との提案を受け、この本の執筆を決めたそうです。
「人は死ぬのに、なぜ生きるのか」を考えるような子供だったという大谷さん。
その考え続けていたであろう言葉が、たくさん紡がれているように感じました。
おじいちゃんの、淡々と、でも、一瞬一瞬を尊びながら過ごす様子は、
とても美しかったです。
大切な人を見送ることが増えた年代にも
刺さる一冊だと思います。