2021年刊行。バナナの特徴や、種類、食べ方・料理、歴史、栽培方法、流通など、バナナについていろいろ教えてくれる絵本。
たくさんの写真や楽しい絵、バナナの皮に絵を描いた「バナナアート」などがカラフルで楽しい雰囲気の絵本。
だが、バナナの流通や栽培の歴史は、楽しくないことが多い。
バナナという商品をめぐって、一部の企業だけが儲かる仕組みや、環境汚染、労働者への搾取などもあり、今もって問題が解決されていない。
見ているだけで愉快な気分になり、食べやすくて甘くておいしいバナナの裏側には、たくさんの人の苦しい物語もあった。
とはいえ、たくさんの楽しい話もあった。バナナは木ではなくて、草だった。日本にもバナナが意外と江戸時代からあって、松尾芭蕉の名前の由来になったとか。松尾バナナ。吉本ばななや東京ばななみたいでなんともかわいい。俳句を見る目が変わりそうだ。
料理用のバナナは、実際に食べてみないと、あの独特の感じはわからない。こういう外国の果物の写真がいっぱい載っている本を見ると、ワクワクして楽しい気分になってよい。
バナナは平和利用してもらいたいと思った。