装画に惹かれて手に取った。
イルカに乗って波を打ってるのかと思いきや、よくよく見ると鳥だ。ということは、コレは空?
読みはじめるとすぐわかる。コレはイカルという名の鳥。
そしてその名を冠したシェアハウスのような建物、それがイカル荘。
最初は主人公の女の子のつもりで読み進めていたけれど、次第に世話焼きの夏鈴さんの視点になり、終わりには案の定、母親の心持ちで読み終えていた。
追い詰められた世界から飛び出した主人公が、関わる大人たちの立ち位置を少しずつ知り、新しい喜びの扉を見つる。そして、そうなってはじめて、重苦しいだけ、だったはずの両親のことを想う。
皆、色々な立場で一生懸命生きていて、ぶつかって、押さえつけて、どうにもならなくなる。
みんな苦しいのだ。でも、みんな幸せになれるのだ。
なんて割とシンプルだけど説明しずらいことを個性的なキャラクターに棲み分けて関係性の中で見せてくれる。
文章もさほど難しいくはないので、長編にチャレンジしてみたい!という子にはピッタリだと思います。
あとバードウオッチングの知識も少し得られます!