1982年1月号のこどものともですが、受け取った時の衝撃を今でも覚えています。斬新すぎて、子どもに与えたくない絵本!というのが第一印象でした。写真絵本ゆえの日本人形の不気味さが目立ちました。唯一救われたのが、わたしがなおみに絵本を読む場面、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」だったことです。
最近になってこの絵本が気になって気になって仕方がない事に気付きました。知り合いの3歳になる息子さんが「なおみの中にちゅうちゅうが出ている事を発見した…」ときいたからでしょうか。谷川さんは私たちにどんなメッセージを残したかったのだろうか?とか、改めて読み返してみて気になり始めたのです。小さい頃いつも側にいた人形やぬいぐるみがいつの頃からか離れてしまった、ということは誰にでも経験のある事だと思います。それがある日見つかった、わたしはすでに母親になっている、だから我が子の側に置いた…。
このなおみが日本人形でなくて、テディベアだったら、どんな絵本になったのだろう、などどうでもいいことを考えてしまいました。まだまだ感性が乏しいのかもしれません。