自然の草花や、身近なもの(みかんの皮や、手袋、厚紙など)を使って、自分で遊びを手作りする絵本。
2021年刊行。(1968年にアメリカで英語で出版されたものを、日本語版にして復刻)
テレビゲームや、スマホがなかった時代に、子どもたちがいろんな身近な素材を工夫して、楽しい遊びをしていた様子がよくわかる一冊。
農村出身なので、わら細工や草笛などはやったことがあるが、けっこう知らない遊びも多かった。昭和世代は、この絵本の遊びをいくつか実際に、現役の子ども時代に経験したことがあると思う。
印象に残ったのが、みかんの花火。
みかんの皮を絞って汁を飛ばし、蝋燭の火にあてると、火花が散る遊びが、スパイシーだ。「火はあぶないので、大人と一緒に遊んでください」と注意書きがしてある。
きっと大人は一緒に遊んでくれないどころか、本を取り上げられそう(うちの大人は、こういうのに理解が全くない)だが、子どもはこういうちょっと危険なかほりのする遊びをやたらにやりたがったりする。
本書の遊びを見ながら、昔のことを思い出し、マッチでイタズラしていてばあさんに派手に怒られた、とか、タンポポをいろいろに加工して遊んだ、とか、懐かしい気持ちでいっぱい。
便利な道具を使った近代的な遊びもよいものだが、こういう素朴な遊びもなかなか素敵だ。
よく考えられていると感心するものも多い。こういう体験を重ねて、考えたり学んだりして、成長していくのだなあ。