大人的視点では読みようによってはイマジナリーフレンドの話とも取れる。でも、この作品は現実逃避ではなく、現実と対峙する勇敢な小学生の話。「ためいき」を味方につけて、問題を乗り越えていく展開は、とても頼もしい。
しかも、「味方に付ける」と言っても、具体的に何かをしてくれるわけではなく、主人公たちの「話の聞き役」をすることで彼らの思考を後押ししている、というのがステキ。
それにしても、登場する小学生の思考力や語彙力の高さに驚かされる。小学校中学年以降ともなると、こんなに物事を多角的に捉えて精神的に大人なのだろうか。(もちろん、悪い意味でも)。
アタマが良すぎるんでは、とも思った。
一方で、「子供は親を選べない」苦痛もしっかり子供視点で描かれていて、子育て中の親としては複雑だ。
それも含めていい作品だと思う。