飯野和好さんのファンで、絵で購入。
原作がこんな古く、また自分の子供に与える本に不満を感じて描かれたものとは知りませんでした。
内容も、まさか焼け死んでしまわないだろう、と思っているとホントに死んでしまうし(靴だけ残っているところが怖さを増幅)、ホントに指をちょん切られてしまうし、すききらいを言ってちゃんとごはん(スープ)を食べない子がやせて死んでしまうし。
当時から賛否両意見出たのも、もっともなことだと思います。
日本の教訓じみた昔話は、悪い子はひどい目にあってもホントに死んだりしませんよね、そのへんが昔「質実剛健」合理的でムダをはぶくと云われたドイツ人の気質が出ているのかな。
絵はさすが飯野さん、フリードリヒの犬(水を飲んでるところ・噛み付いてるところ・むちをくわえて走るうしろ姿)、いいですね。
「おやゆびしゃぶりのはなし」の最後、装飾ローマ字とともに血の付いたはさみと離れた2本の指が怖い。
表紙のペーターは汚いどころか、いまどきではカッコイと思われそう、原作と違って腕をクロスさせてるとこも今風、でもこの本も30年前に初版が出ているのですね、そんなことは全く感じさせません。
子供が小さかったら、まちがいなく読んであげたい一冊です。