ペローの童話はどこか不気味で残酷です。
人食い鬼に見つかって危機一髪かと思えば、トムの機転で殺されたのは人食い鬼の娘たち。
怖〜いおはなしなのですが、文と絵両方を手掛けたポストマのアレンジと矢川澄子さんの訳が、オブラートにくるんだような作品に仕上げたように思います。
ポストマの絵は、不気味さもありながら、子どもたちと親の対比を大きさについても表情についても固定化させていないし、人食い鬼たちと子どもたちについても固定的な描き方をしていないのが特徴。
怖いばかりではないところが不思議でした。
それにしてもこのお話、さまざまな童話を連想させるようなパーツから成り立っていますね。