寺村輝夫さんの「王様シリーズ」の一冊。
何と言っても題名からして、いかしています。
ここで疑いを持ってしまうと、このナンセンス本の魅力が半減してしまうので注意が必要です。
物語は、王様が、王子様生誕のお祝いのご馳走に選んだのが、何と卵焼き。
意外に庶民的なので、笑ってしまいます。
ただ、国中の人々に振舞うのですから、大変な数の卵が必要。
大臣が、
「王さま、国には、そんなにたくさん卵がありません」
と言うと、王様はぞうの卵を探すように命ずるのです。
ぞうの卵、大きなフライパン、大きな竃と算段はつき、大臣のワンさん率いる大隊が、ぞうの卵探しに出かけるのです。
それから、何とも間抜けな話が続くのですが、一番の見所は、誰がぞうは卵を産まないか気付くことではないでしょうか?
大の大人が真剣にぞうの卵探しをし、収穫なく城に戻る際に、森の子供が笑うというシーンに、大笑いできることでしょう。
文章は長く、読み聞かせには辛いものがあります。
このナンセンスに、惹かれる子供なら良いのですが、好き嫌いの出る絵本だと思います。