理想のベビーシッターと言えばメリー・ポピンズ!映画の彼女も、翻訳本のメアリー・ポピンズも、その凛としたたたずまいと、そっけなさと、次々と繰り出される数々のアイディアに「超」憧れました。
が、ここに、その意志を受け継いだかのような異色のベビーシッター登場。舞台はロンドン(ベビーシッターのふるさと?)。
おにんぎょうさんとうばぐるまと、ぬいぐるみのくまちゃんとパパとママが大好きな、小さなハニーのベビーシッターは、ねずみのネズおじさん!しかも彼女より大きい!緑色の大きな雨靴をはいて、似合わない山高帽をかぶり、古新聞を読んでいるねずみ・・・でも、ハニーはネズおじさんも大好きです。
ハニーがいたずらすれば叱るし、むやみなおねだりにも妥協しませんが、ハニーが喜ぶこともちゃんとしてくれるのです。
ほわほわの毛のネズおじさんの目はいつも優しくハニーを見つめています。たたずまいはメアリーとは異なりますが、子どもにとって、何が大切なのかを見極めてくれる「大人」の存在という点で、共通する安心感が伝わってきます。
親の子育てというのは、感情面で限界を感じることがあります。他者に任せっきりはもちろん避けるべきことですが、責任ある他者の存在は子どもにとって大きな意味があると思います。