表紙を見てとても気になった絵本です。
瓶の中に入れられたゾウのような小さな生き物がこちらをじっと見ていて、どんなお話なのか、さまざまな想像を膨らませ、ページをめくりました。
『パーフェクトペット』という動物を販売している店の地下には、実験によって“パーフェクト”にならなかった失敗作が置かれていて、バーナバスもその失敗作のレッテルをはられ、そこに置かれているのです。
失敗作って言われたってぼくはぼく!ぼくのままでいたいと思うバーナバス。ほかの失敗作のレッテルをはられた仲間たちとの逃亡劇が始まります。
手に汗にぎる脱出劇と、仲間たちとの友情、想像をかきたてる不思議な世界を繊細な描写で楽しませてくれる絵。ページ数も多くじっくり味わえます。
動物の種のかけあわせや実験の怖さ、人間の愚かさを訴えつつも重くなりすぎず、お子さんが楽しく読めるように工夫されている絵本だと思いました。