小澤俊夫さんをして赤羽さんの昔話絵本が日本の最後の昔話絵本と言わしめた赤羽末吉さんの昔話絵本です。
種子島の昔話らしいのですが、ひょうたんがおばけであるということ、表紙の絵は怖いですが、どこか諧謔味があります。
赤羽さんの絵本は怖い話であっても、どこかおかし味があります。
息子は読んでいる途中で『うまかたやまんば』に似ていると言いました。
確かにそんなところがあります。
この作品、1984年に出版されました。
1979年に『つるにょうぼう』を二種類の和紙を使って描き、その後『そばがらじさまとまめじさま』では、八種類の和紙を使われたそうです。
『みるなのくら』までの昔話絵本は、赤羽さんの中でも集大成とも言うべき作品で、絵もさらに素晴しいのです。
このような作品を埋もれさせてしまうのは実に惜しいことだと思います。
一作一作に渾身の思いをこめて作られた作品の数々。
偕成社からはこの他『てんぐだいこ』『けちんぼおおかみ』『ねずみのすもう』なとが出されています。
幼年向けの絵本が軽んじられていることから、この昔話絵本を出されたということも赤羽さんのエッセイにはありました。
が、この本だけが図書館で所蔵されているところが少なく、また絶版でした。
今の子どもたちは昔話をよく知りません。
それは大人がよく伝えていないということもあります。
貴重な文化の継承がされていかないのは、とても残念なことだと思います。
ぜひぜひ復刊していただきたいと思います。