非現実的な絵本ではあります。
地下鉄が結婚式の一コマであったり、車内がダンサーのステージであったり、ありえないでしょう。
マイロは淡々と乗客を観察しながら、想像を膨らませながら、スケッチブックに空想世界を描き続けます。
でも、緊張感と空想と非現実を描きながら、辿り着いた場所は超現実的で、予想できない場所、刑務所でした。
母親はどうして刑務所にいるのでしょう。
釈然としませんが、刑務所の母親に面会に行く子どもの心理を想像しながら、もう一度最初から読み直すと、現実を直視できないマイロの心理がわかるような気がします。
まわりを観察しながら、見られているかもしれないという怯えも感じられます。
子どもの心理を考える絵本かも知れません。