まず絵がとても綺麗で眺めているだけでもほっこりとした気持になります。ミトン型の手袋はとってもふかふかしていて温かそうで。子供の頃に持っていた手袋を思い出しました。
手袋を無くしてしまって、その無くした手袋が色々な動物たちの手に渡っていくのですが、どの動物たちもこの手袋に出会って幸せそうで、温かそうで、それぞれ感じる幸せは違うけれど幸せに感じてその時々をハッピーに過ごせている事が凄く伝わって来ました。
人もそれぞれ幸せのカタチって違うと思います。でも、それは忙しく毎日生活しているとなかなかそんな風に思っている余裕がないのかもしれませんね。些細な事を幸せに感じる気持ち。大切な気持ちだと思いました。
この絵本に出て来る女の子、最後にはやっと無くした片方の手袋と再会するのですが、女の子の手に戻る事は無く少し切なさを感じるラストでした。
どのページの絵もとても温かみがありとても素晴らしかったです。絵本の内容を凄く繊細に表現している感じで、このお話とこの絵だからこそこの1冊の絵本がこんなに素晴らしく仕上がっているんだな、と思いました。
とても素晴らしい1冊で、切ないけれどとても心温まる1冊でした。寒い冬に子供達と一緒に読みたい、そんな素晴らしい1冊でした。