最近ニュースで貧困という言葉がよく出てきますし、「子どもの?」がつくことが多いので、この本の読み手対象の小学生には興味を持つ話題だと思います。
ただ実際には「ひんこん」の言葉の意味をわかっていない子が多いでしょうし、その状況や要因はさまざまですから、どこまでわかりやすく伝えるか、執筆された阿部さんはじめ編集者の方々は苦心されたでしょう。
全体を読んで、細かなことにはふれず、いい意味でざっくりと書かれているのがよかったと思いました。
この本を読んだ子がさらに、日本の子どもの貧困に関心を持って、ニュースを見たり話を聞いたりして、いろんな厳しいケースがあること、それに対していろんな取り組みをしていることを知ろうとする、そのきっかけになればいいと思うので。
ずっと会話の形で書かれているのも読みやすいと思います。
小学生の子たちが自分のこととして受け取り、自分に何ができるかを考える「教科書」になると思いました。大人の私が読んでも十分読みごたえがありました。