ちいさな家でめんどり・いぬ・ねこ・ねずみが
同居しています。
家事をするのはみんなめんどり。
ほかの3びきはみんなごろごろねてばかり。
あるひめんどりが小麦の種を見つけます。
めんどりは小麦の種をまいて、世話をし、
収穫し、粉にし、お菓子を作ります。
種まきも収穫もお菓子作りも、誰も手伝ってくれません。
最後においしく焼きあがったお菓子を前に、
さて、めんどりのとった行動とは。
まず、終わり方が爽快です。
「日向で遊ぼうさん」が書かれている通り、
まさに「働かざるもの食うべからず!」です。
でも説教くささがなくて、
「働いたからその報酬をもらう。
働いていない者は報酬をもらえない。」
というあたりまえの事が嫌味無く書かれています。
最後にいぬ・ねこ・ねずみたちが、
心を入れ替えて掃除を手伝っている絵がなんともかわいくて、
その後の4ひきの共同生活はうまくいっているんだろうな、
と想像させてくれます。
加えて、4ひきが家族を象徴しているようにも感じます。
・めんどり=おかあさん
・いぬ =おとうさん
・ねこ =おねえちゃん
・ねずみ =おとうと
家事をするのはめんどりばかり、
ほかのみんなはねてばかりというのがまさに
ありがちな家族像です。
ただ違うのは、めんどり=おかあさんが最後に
一発食らわせてやるところです。
世のめんどりさんたちも、家事を手伝わない
いぬやねこにこの本を読ませてから、
自分だけおいしいご馳走を食べるなんていかがでしょうか。
きっと最後のページのように、
3びきがお手伝いするようになるかもしれませんよ。