まず“ころころ”という音ですが、物が転がる時に使う音です。普段何気なく使っていますがこの本ではこの音がメインです。なぜ物が転がる”ころころ”という音がこれほどまでに娘の心をわし掴みにしたのか。と、少し不思議でした。二回目読んでみると、なるほど”ころころ”という音の響きは不安、嫌悪、憎悪などマイナスのイメージの対極にある音のような気がしてきました。少し間が抜けているようでいてかわいらしい。完ぺきではないがために愛らしい。そんな感じを受けました。そして、色。色も色とりどりで規則性がなくまばらなところがいいです。でこぼこ道の場面が一番印象的です。黒色の背景です。文字が見当たりません。でも、光の角度によって文字が見えるのです。”すごいしかけだ”と息をのみました。とてもシンプルのように一見見えますが、実は奥が深いのでは。と感じずにはいられず、つい何度も読みました。