今から20年前に本当にあった話として語られるこの事実が、決して過去ではないことを誰もが知っています。
誰もが知らなければいけないと思います。
父親が兵士に連れ去られ、母親も父を探しに出かけて戻ってこないナスリーンのお話です。
女性は学校に行ってはいけないという、タリバン政策によるお話です。
ひみつの学校で、ナスリーンはやっと閉ざされていた心を開くことができたという、美談的な結末です。
でも、でも、アフガニスタンの現在は、その疎ましい過去の状態に戻ってしまいました。
解放されたはずの女性は、再び昔に押し戻されてしまいました。
今、世界はウクライナに目が向き、内政としてのアフガニスタンから離れているかも知れません。
でも、アフガニスタンの混乱が、1970年代のソ連軍の侵攻に端を発していることまで遡ったら、同様のことがウクライナで起ころうとしているかも知れないと、思わずにいられません。
この絵本から、犠牲者は未来を担う子どもたちであること理解しなければいけないと痛感しました。