ミャンマーの水かけ祭りを待ちわびる少女、コーヒー店の少年。
ラオスで織物を織る少女、お正月を迎える少年。
4人の子どもたちから届いた手紙は、現地の熱気、湿気、風の香りなどが感じられる。生き生きと、まるでその場で本人が語ってくれているような文章と、画家の迫力のある極彩色の画面が、アジアへ読者をいざなってくれる。
旅行経験のある人は、現地の懐かしい思い出と共に楽しめる。
まだ行ったことがない人は、いろんな想像をして楽しめる。スズキコージ氏の、エキセントリックな画面が、アジアの神秘的な民話や庶民の暮らしを実に生々しく、かつ幻想的に表現している!こんなに違和感のないアジアの表現は初めて。生命力と、混沌と、人の人情がもれなく伝わってくる。匂いも感じられそうで、怖いくらい。
まだまだこの世には未知なる世界が広がっている。地元の面白い、独創的なお祭りや暮らしが、ずっと残って欲しいと、勝手に外国人の私は思っている。
巻末に2つの国のあらまし、アジアの地図があり、場所を確認できるのがステキ。ちょっとだけ学習。