内田麟太郎さんの狂言絵本シリーズ第二弾。
柿泥棒の山伏と、それを懲らしめようとする地主の、滑稽なやり取りが描かれています。
「山伏ほど威張るものはいない」と言われつつも、その実、意外に気の小さい山伏どの。
柿泥棒をとがめられない為に、地主さんの意地悪な問いに四苦八苦する内容は、本当に愉快です。
カラスの真似をしたり、サルの振りをしたり・・・山伏のプライドはどうしちゃったのかしら?
そんなお話の面白さもさることながら、それを最大限に活かす大島さんの絵に驚嘆です。
山伏の顔の怖そうなこと。地主の顔の意地悪そうなこと。
生き生きとした表情が素晴らしい。
なにより、手眼鏡から覗いている構図がすごい!発想の豊かさが羨ましいです。
まだ、子供たちの前では読んでいませんが、小学校中学年の読み聞かせに使用したいと思っています。
前作「ぶす」も、好評だったので楽しみです。