ゲーム、SNSなど子供達にとって身近なテーマをとり上げているので、子どもたちは考えやすいですし、考えようと思うでしょう。
「正解」ではなく「その後のはなし」として、はっきりした答えを書いていないのが(この本の肝なのですが)いいなと思いました。細かなデータがいくつも書かれてあるのも、考えるために効果的な資料になるでしょう。
一番印象的だったのは『おばあちゃんの人生』です。小学生くらいだと「死ぬ」ということにかなりの恐怖心を抱きますが、おばあちゃんの命を考えさせることで、踏み込みすぎず、かといって通り一遍のやりとりでは終わっていないのが絶妙の落としどころだなと思いました。
最後のコラムに「尊厳死と安楽死について」を出しているのは、私には感動でした。
この本を読んだ後、図書館の教科書コーナーで各社の道徳の教科書を見てみました。
命のことは、大切にしようとか、病気だけどがんばって生きましたとかいろいろ書かれていますが、「死」についてこんなにまっすぐ向き合わせる題材はなかったです。