四国や九州地方に昔から伝わる手作り玩具の図鑑。
人形や車、こま、凧などの子どもの遊び道具の写真と遊びかた、由来、現在作っている人の事などを紹介している。
巻末には世界の郷土玩具も掲載。
巻頭と巻末には索引があり、知りたい玩具の名前がわかれば、掲載している本がわかる。
2022年刊行。
今やスマホや豪華なおもちゃが世の中に溢れている現代日本の子どもたち。おそらく人類史上、一番、モノには恵まれている時代に生活しているはず。
昔は、スマホどころか、ガス・水道・電気もなく、材料も今のような便利な素材がなく、情報も限られていたし、生活もかなり不自由だったはず。
それでも、人間は楽しい思いをしたいし、子どもたちは与えられた環境に適応して、その中でいろんな工夫をして楽しく遊んだことがわかる。
子どもの健やかな成長を祈って作られた「御守り」のような玩具もあるし、今の子どもも大好きな「車」や「人形」などもたくさんある。その時代の流行や、社会情勢を反映しているデザインが面白い。
特に印象に残ったのが、「車」の玩具。
世界中で、おもちゃの車というものがあり、その時代にカッコいいと思われいたものがデザインされていて楽しい。
車は大人になっても大好きな人はたくさんいるし、車の見た目や性能にこだわる人も多い。
子どもの玩具は派手で、遊び心が満載のデザインで、可愛らしいものも多くて楽しい。
どうやって遊んだかわからないが、「首人形」というものがあり、これは人形の首だけのもの。
下の体の部分や着物や小物などは、自分で作ったのだろうか?いろんな顔だけがあって、お面が並んでいるようでもあるが、生首が並んでいるようでもあり、ちょっと怖い。
戦争をしていた時代は、敵の首を取る、ということもあったことを連想すると、ホラーな玩具のようにも見えてくる。
手づくりの玩具は、いろんなことを伝えてくれる。
子どもや大人の願い、いろんな思いも伝わってくる気がする。