ヤマザキマリさんがイタリア語から翻訳、という事で手に取りました。
気になる題名に、表紙絵に違和感。
剣と盾を持ったクマ!?
でも、存外に普通の表情です。
なるほど、クマのけだかい兵士。
ところが、暮らしていた砦が大水で壊されてしまい、
早速原因究明に乗り出すのですね。
犯人と思しき動物たちを見つけますが、彼らも被害者という事で、
まるで積み上げ話のように次々と犯人が明らかになる様子が昔話のよう。
で、結局意外な犯人にたじろぐわけですが、ここからが真骨頂。
クマの兵士の償いの行動が、まさに平和への第一歩。
この行動力に心から拍手を送ります。
けだかさが、愚かさと希望の両面を引き立たせます。
まさに良質の寓話です。