私が読み聞かせを始めて一番最初に選んだ本で、私の中では最も大切な本でもあります。
おだぴんさんが号泣されたように、私も胸がこみ上げてくるうちは読み聞かせをすることができず、苦労した本でもあります。
きつねが、自分のエサにしようと肥やしてきたひよこ・うさぎ・あひるを守るためにおおかみと戦って死ぬ、こんなことありえないかもしれないけれど、こうあってくれてありがとうと思いたい。情というものはこんなにも深い、熱いもの、自分が何者かさえ超えてしまうもの。きつねの心の移り変わりが不自然なものではなく、むしろ当然の成り行きのように違和感なく感じてしまうのは、読み手の方もきつねの心になりきっているからかもしれない。