明治時代に日本の鉄道、灯台や港、水道、治水工事などの技術を教えてくれた外国人技術者たちと、事業に協力した日本人たちの偉大な仕事をわかりやすく解説した絵本。
2004年刊行。
いろんな国から日本に招かれた技術者「おやとい外国人」が、どのような仕事をしたかを、正確な絵や資料とともにわかりやすく教えてくれる。
土木の知識がなくても、仕事の大変さや偉大さが、絵を見たらわかる親切設計。
特に印象に残ったのは、日本にわざわざやってきてくださったばかりでなく、日本が好きになり、仕事を終えても住み続けた人達があったこと。
迎える日本人たちも、貧しい暮らしながらも、丁寧にもてなして、お互いに信頼関係を築き、長年にわたる大変な事業を共に働いて完成させたこと。
当時は、今よりもいろんな偏見があったり、言葉や文化の壁があったりしたと思うが、それでも一つの目標に向かって、人類が協力していった姿が尊い。
更に面白いのは、外国から来た技術者たちをただほめたたえるだけではなく、中には問題を起こす人もあったり、いろいろなドラマがあったことも描かれていること。
激動の明治時代に、いろんな体験をしながら子孫のために尽くしてくださった先人たちの、いろんな生き様や志がしのばれて感動した。
こんな素敵な歴史を、多くの人に知ってほしいと思った。
漢字にはルビがふってあるし、
絵で見て分かりやすくなっている上、
詳しいことが知りたい人は、年表や注釈なども充実している。
小学生が対象ということらしいが、年齢問わず、どなたにもおすすめします。