1週間違いで生まれた僕とフリードリヒの純粋でとても哀しい話です。
ユダヤ人として生まれたフリードリヒは、ナチス政権と戦争の中で時代に追い詰められていきます。
平和だった社会が崩壊していきます。
差別、偏見、…、人間の理性の崩壊が各章の日付とともに克明に描かれていきます。
とても哀しい話ですが、目をそむけることのできない現実です。
人間の心のもろさと、フリードリヒと僕の友情の純粋さの不変。
これまでに心にしみる話はないし、今の子どもたちに是非とも伝えたい話。
平和のように見えていて、現代社会においてなんと人間間の心の通い合いが希薄であることか。
最後に年表があります。
話の背景が裏付けられます。
この本が「岩波少年文庫」として出版されている意味の重要さを感じたいと思います。