子供の身近にあることを、15作品載せてあります。表記は、現代かなづかいを用いて、特定の漢字をのぞいて、全てかな書きとしていますので、子供でも抵抗なく詩の世界に入れます。金子みすヾさんの優しい言葉と、森川百合香さんの心温まる挿絵が、人を優しい気持へと誘います。例えば、四月では何もかもが新しくきらきらと輝いて見え、始まりの時、うれしい気分が感じられ、けがした ゆびでは、痛そうな指も、爪に顔を書いたら本当に痛みを忘れるかもと思わせてくれます。子供が好きな作品はせみの おべべです。普段の生活の中であまり使われなくなった言葉もそのままにしてあるので、おべべという言葉に興味を持ったのか「おべべってなに?」の疑問から始まり、おべべは服と知り、せみのおべべはせみの抜け殻と段階を追って知りました。一作品だけでもあったかい気持になれますよ。