万葉集や日本書紀、御伽草子など、多数の文献に記述が認められる、
昔話中の昔話(?)うらしまたろうです。
幼稚園でも読んで貰ったことがあるらしく、
あらすじをちょこちょこ話すのですが、
なぜか、「竜宮城で接待を受ける」ところまでしか、話しません。
それで終わり?ときいても、「うん」
「最後浦島太郎はどうなった?」と聞いても「竜宮城へ行った」
「乙姫さまに何もらった?」と聞いても、「知らなーい」
…こりゃ、ちゃんと読み聞かせしないとなあ、と思い、借りてきました。
一番読みやすい文章で、絵もきれいだなあ、と思ったのが、この福音館バージョンでした。
皆さんかかれていらっしゃいますが、この絵本の中では、カメが乙姫様の化身。
竜宮城には、竜王がいらっしゃいます。
浦島太郎が、里に戻りたくなったきっかけは、竜宮城の中にある、不思議な部屋。
へえ…と読んでいるこちらも、面白いなあ、と思いながら読みました。
浦島太郎は、あまり怖いところのない昔話、と思っていましたが
(最後は別として)
今こうして読んでみると、浦島太郎と、乙姫様の関係はなんともいえないものがありますね。
乙姫様との生活より、里へ帰ることを選ぶ太郎。
「けっしてあけてはなりません」と玉手箱を渡す乙姫。
なんとも深いというか…情念の世界というべきか…
息子はやはり、最後が難しかったようです。
竜宮でのの時間と、里での時間が違っているということと、
玉手箱をあけると、老人になる、ということは、
先生から、大勢の生徒に対しての読み聞かせでは、想像がつきにくいのかもしれません。
(何度も繰り返し、読んでもらったわけでもなさそうですから)
また、私自身もなかなかうまく、説明が出来ませんでした。
最後が印象に残っていなかったのも、納得です。
ぜひ、また読み聞かせたいと思った一冊でした。
息子に、この何ともいえないせつなさが分かるのは、いったいいつのことでしょうか?