すごくいい絵本です。この本を読んでいたら、子供のときにお使いを頼まれて、心臓をバクバクさせながら「これください」の一言をしぼりだすのに喉がカラカラになったり、小銭を握る手に汗をじっとりかいたりしたあの日の記憶が鮮明に蘇ってきました。いつも歩いている道の景色も何だか違って見えて、とても遠かった。ましてやつい先日、はじめてのお使いをしたばかりの娘は、もう本当に自分のことのようにのめり込んで絵本の中に完全に入ってしまった様子。ドキドキ、ハラハラ、友達に会ってちょっとホッとしたり、お店の人に言った言葉が届かずに悲しくなったり、・・・、ほんの数ページをめくる間にどっと疲れたような、そして一仕事終えたような達成感すら味わえます。大人も子供もみいちゃんになって絵本の世界に入ってしまえ、主人公と一体になれる体感絵本です。