母親の魔女が鳥に変えてしまった王女を守り、人間に戻そうと願う巨男の息子。
親子でいながら、どうしてこんなに違うのだろう。
この巨男の全てを包み込むような優しさ、自分を犠牲にしてまでも王女を人間に戻そうとする献身的で無欲な愛情に歯がゆささえ感じてしまうのですが、子どもたちにとってこれだけ純粋な愛の話は素晴らしいことだと感じました。
巨男は、王の過酷な仕打ちに異を唱えることなく従います。
自分が死ねば王女は人間に戻れるかもしれないと、自ら命を断った巨男。
短絡的すぎるきらいはあるけれど、最後に王女も巨男を愛していたことが分かります。
津田真帆さんの油彩画にそれは、塗り込められているけれどそれが味わいにつながっていると思います。
新美南吉さんの話はなんで純粋なのでしょうか。