フェルジナンドはいつも一人、草の上に座って、静かに花のにおいを
かいでいるのが好きでした。
他の牛たちは毎日、とんだりはねたりかけまわってくらしています。
フェルジナンドのおかあさんは時々息子のことが心配になりました。
ひとりぼっちでさみしくないのかしら?
「ぼくはこうして、ひとり花のにおいをかいでいるほうが好きなんです。」
そこでおかあさんはフェルジナンドの好きなようにしておいてやりました。
子育てをしていると自分の子と他の子をついつい比べてしまいます。
みんな個性があるのに、ついつい同じものさしでいいか悪いか
考えてしまいます。フェルジナンドのおかあさんのように我が子の
個性を尊重して見守ってあげられる母親になりたい。
スペインの美しい本はそのことを教えてくれました。
小学校中学年の読み聞かせにもいいなと思いました。