八島太郎さんの独特の絵は、現代においては、一見古臭い印象を抱くのは否めないでしょう。しかし、それだけではない何かがあり、その作風は印象に残ります。
主人公のからすたろうは、学校で六年もの長い間、誰にも相手にされず、本人もそれでよしとする姿勢すら見られました。
しかし、新任の先生が、そんなからすたろうのことを見ていてくれたのです。この出会いは、彼の人生において、とても大切なものとなりました。
先生は、地味なからすたろうの誰にも真似することが出来ない、素晴らしい才能に気付いて下さって、それを皆の前で、披露する機会を与えて下さったのです。
彼のすばらしさを初めて知ったまわりの人々の驚き、感動。
胸がジーンとします。
本当にからすたろうは、我慢強く、辛抱の人。そして観察力に優れ、イザという時には、人前で自分の才能を臆することなく披露する事の出来る強い人だと思いました。
からすたろうを読むといろいろと考えさせられます。
私たちのまわりにも、ひょっとするとからすたろうが、隠れているかもしれませんね。
小学生に是非、お薦めしたいです。