昔話を読んでいると似たような話によく出会います。
妙に納得したり、違いの意味を考えてみたり。
このお話は、飛び抜けて有名な『じごくのそうべえ』とルーツを同じにしていると思いますし、先に読んだ『じごくに行った三人』とも同じ材料で仕上がっています。
えんま様、軽業師、医者、占い師。(これない山伏が入れば完璧)
でも、話自体が他の2作に比べてやけに簡略化されています。
えんま様が自ら地獄にやってきた三人を呑みこむ展開は、物語をはしょりすぎではないかとさえ思えてしまいました。
こちらが原型かもしれないのですが。
絵本がコンパクトなだけに、『くわばらくわばら』のようにパンチがないと、存在感が薄くなってしまいます。
絵を描いたささめゆきさんにも申し訳ないのですが、寄り組み方が弱いように思いました。
手のひらサイズの利点は持ち運びやすさだけではないと思います。
少しがっかり。
皆さんも読み比べてみて下さい。