かおるくんの家の庭は狭く、ちっぽけな木が三本。
庭をながめつつ、かおるくん、おおきな木が欲しくなります。
かおるくんの想像する木は、自然との共生を実現する素晴らしいもの。
想像の設計図を描き上げ、おとうさんに話したら、おとうさんも共感してくれて木を植えることになります。
かおるくんの大きな木への憧れと夢が、どこまでも限りなく具体的で、読者を引き込みます。
春夏秋冬、そこで暮らす生活を思い描くページも美しい。
右横開きで始まり、想像の木を描くページは縦開きで工夫されています。
とてもステキだと思ったのは、かおるくんの話を両親が聞いてその憧れ(夢)を一蹴せず、受け入れ理解している姿勢です。
こんな、受けとめ方ができる両親だから、かおるくんのイマジネーションの世界は、深く広がっていけるのでしょう。
扉絵の、星空の下、大きな木の上のかおるくんの家が美しく、あの植えた木で、かおるくんが作ったものかしらと読み返し思いました。
見返しを息子は見直して、大きな木で作ったったかおるくんワールドの設計図を楽しんでいました。特に、ほらあな(木の中の空洞部分)の中のはしごが気に入っていました。