2023年刊行。江戸時代に、絵の手本として作られた15冊の本「北斎漫画」。当時の出版技術(木版画)の詳しい作り方や、本の製作〜流通までのしくみ、作者の生い立ちや来し方、出版当時の社会情勢や流行などを総合的に紹介した大型本。
4000もの絵を書いて、分野別にみられるようになっている。本書の巻末で一覧できるが、まるで図鑑のよう。
特に人物描写がすてきにかっこよく、踊っている人や、寝そべっている人、何気ない日常のしぐさをしている人などが、ユーモアたっぷりに描かれている。動き出しそうだ。
現在のストーリーがある漫画とは違って、この本を見て、絵を練習する実用書だが、一つ一つの絵からいろんな物語ができそうでワクワクする。
海外でも人気があるという。
個人的には「すずめ踊り」という、踊りの振り付けを1つ1つスケッチした絵が好きだ。動いている人を描いたのもすごいが、動いている水や動物などを描いてもすごい。
何を描いてもすごい人だった。
本当に、北斎が現代の「漫画」を書いたら、面白いと思う。
原作者は誰がいいか。どんな話を描いて欲しいか、いろいろと空想して楽しい。
こういう本は、ただ絵を見ているだけでも楽しめるので、年齢問わず、日本語がわからなくても面白いと思う。