冬眠の途中で、ひとり目覚めてしまった、ムーミントロール。
パパやママに頼れない上、様々な出来事がおこります。
冒頭にはそんなムーミントロールの孤独と不安が描かれて
物語全体が、日の昇らない北欧の冬の暗がりの中に
すっぽり入りこんでいるかのよう。
トーベ・ヤンソン自身が描く挿絵も、影の部分が表現されています。
ムーミンシリーズの魅力の一つが、登場人物の描かれ方。
ちびのミイ、おしゃまさん、ご先祖さま…といった個性的な
ムーミン谷の面々。
魅力的なキャラクターもあれば、ダメキャラもいたりで。
その中で、いつしか ひとまわり成長していくムーミントロール。
この「ムーミン谷の冬」 の中で、私が笑ってしまったのは、
ヘムレンさん。陽気にスキーを教えたりしてくれるんだけど、
今風に言えば、KY(空気読めない)で。
やたら前向きな感じもウザがられて…笑。
こんな風に、「そうそう、こんな人、いるいる!」と
共感しながら読むのも楽しいですよ?!