カナダのイラストレーター、ジャック・ゴールドスティンさんの
絵本『せんそうがおわるまで、あと2分』は、
1914年に始まった第一次世界大戦での悲劇を描いた作品です。
物語は同じ日同じ町に生まれた2人の青年が主人公。
仲良しのジムとジュールですが、2人には決定的な違いがありました。
それはジムの方がジュールより2分だけ早く生まれたこと。
そのせいか、ジュールはいつもジムより2分遅れます。
カナダに住む2人でしたが、
戦争は彼らの国も巻き込んでいきます。
2人はヨーロッパの戦場へと駆り出されていきます。
戦争は長く続きます。
始まって1564日経っても終わりません。
絵本の中にこの数字はちゃんと書かれています。
けれど、とうとう長く続いた戦争も終わる時が来ます。
1918年11月11日午前11時をもって戦争をやめることが決まります。
しかし、2人の青年がいた戦場ではまだ戦いが続いていました。
戦争終結まであと2分という時、
ジムは撃たれて死んでしまいます。
もし、ジムがジュールより2分あとに生れていたら、
人生は変わっていたかもしれません。
ジムが亡くなって、ジュールの人生もとても寂しくなりました。
戦争を終わらせることは簡単ではないでしょう。
けれど、ジムのようなたった2分で起こる悲劇はなくさなければいけません。
始めたのも人間なら、
終わらせることも人間です。
時間を無駄にすることなく、一刻も早い平和を祈ります。