当時、莢からマメを取り出すのは、子供の小遣い稼ぎの一手段でありました。グリーンピースやピーナッツと比べ、ソラマメは粒が大きく造作なく剥ける反面、ワタから取り出しにくく、指がマメ臭くなるのを覚えています。それでも、食卓に上った塩茹で豆を美味しそうに食べる親をみて「私が剥いた豆だ」と誇らしげに思ったものです。この本を手にしたとき、そんな子供時代がよぎりましたが、豆が莢に収まっていることさえ知らない我が子に腕枕をしつつ、「あー、こんなベッドが欲しい(親子3人でさやえんどうのベッドに寝ています)」と呟くのは私だけでしょうか。