むかしむかしのお話です。
しまのかっぱに三度笠、カブトムシのお侍が、ある森にふらりとやってきました。
そこには、木の樹液をひとりじめしようとしているごきぶりのゴキゾウがいました。
そこで、かぶと三十郎が、大きな角を使って投げ飛ばしました。
きたくてずるくて気持ち悪いあぶらむしやろうと言われている、ゴキゾウにも、それなりの言い分があったようです。でも、本当に大事な物は何か、その時にはまだ気づいていませんでした。
虫同士の世界のお話のようで、実に、人間にあてはまるものばかり。宮西さんの作品は、絵は、とてもユーモア溢れるタッチですが、お話の中身はとても深く、その根底には大きな愛を感じることができます。
そして、このお話も、読み終わると、ジーンとくるものがあります。