「フリズル先生は学校一かわった先生です」と始まる、この本。は?何これ?え〜〜〜っ?うぇっ!ふ〜ん…という具合に進んでいきます。しょっぱなの絵が、変わった服装のフリズル先生(女性)と、つまんなそうな子ども達がいる授業風景。ある日、科学博物館に見学に行くはずだった先生と子ども達が、スクールバスに乗ったまま、ひょんなことからクラスメイトの口の中に飛び込んでしまい、体中の働きを知りながら冒険する話です。よくある演出として、子ども達は次第にわくわくして、終わる頃には先生大好き!おもしろい話をありがとう的な展開になるところが、先生が特にフレンドリーになるわけでもなく、子ども達が特に生き生きするわけでもない。(もちろん、先生のナビゲーションは見事で、子ども達はちゃんと学び取ってはいるのですが)
でも、
細かい描写のイラストをまず楽しめます。
あっちこっちにあふれる文が、字の嫌いな子ども達の関門になるとは思うのですが、よく読むと情報としてわかりやすかったり、子ども達の台詞がリアルで楽しかったり。
私は、ちょっと表情をつけて音読してみたところ、黙読するより、わかりやすかった!もしかすると、あの苦手だった物理も数学も、「って、わかりにくいよ!」とかつっこみ入れながら音読していたら、何か見えてくるものがあったかもなどということまで考えてしまいます。
そういえば、高校の頃(もう30年以上前)、ボケとつっこみが入っている生物の参考書に出会い、愛読していたことも思い出しました。
そんな趣向じゃなくても、ちゃんと教科書だけで科学を理解できた人には余計なお世話だと思いますが、この絵本も含めて、いろんな演出の科学絵本が正式教科書になることを切望します。