ニューヨーク・タイムズ紙年間優秀児童図書、アメリカ図書館協会優秀図書という評価の高い2003年の作品です。
お話の舞台は、ケンタッキー州の豊かな牧場。
「このケンタッキーのどこかには、白い牛がいる。だれもつかまえられない白い牛が……。」という書き出しで始まります。
そこに住む少女の目線で書かれた日記風の文体は、とても親しみ易くとても好感が持てました。
でも、その牛は、周りの大人どもがいくら束になっても捕まえられないのです。
白い牛に翻弄される大人たちの様子も、どこかほのぼのと感じられました。
やはり、ケンタッキーの醸し出すゆったりとした空気がそう感じさせるのでしょう。
大家族が一同に会する家というのも、昔の日本を彷彿とさせます。
終わり方も、とても爽やかなので、心の清涼剤になる一冊だと思います。