題名のとおり、逃げ出した白い牛を捕まえる騒動のおはなし。
大の大人がすったもんだで取り逃がす様子が、
帰宅した時の服の有様や怪我でわかります。
そして、偶然白い牛を見かけた「わたし」。
実は後半まで、白い牛は描かれていません。
なかなか憎い演出です。
そして、出会った白い牛も意外におとなしいのです。
農場で牛などの生き物と共に暮らす人々の様子がよくわかります。
助け合う姿もいい感じです。
そして、「わたし」は実に冷静に大人たちを観察していますね。
だからこそ、ラストの言葉が頼もしいです。
このあたりは子どもたちには大いに共感してもらえるでしょうね。
細かく描かれた絵は見所がたくさんあるので、
ぜひ、ゆっくりと味わってほしいです。
私としては、汚れたり破れたりしているだろう服を洗濯したり繕う
「かあさん」の表情から読み取れる気持ちにも同情です。